中国四国医師研修センターは、中国四国地方の民医連研修病院群のセンターです。民医連の病院では、地域に根ざし、そのニーズを満たせるようなミッションに基づき、必要とされる医師養成を行なっています。初期研修では、幅広い疾患や問題に対応できる能力を身につけることができます。専門研修では、総合性を専門とした家庭医・総合診療専門医、総合力を基礎とした専門医の養成をおこなっています。
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佐藤真一

〔出身大学〕
高知大学・1992年卒

〔病院での役職〕
家庭医・総合医
後期研修プログラム責任者

〔専門医等取得資格〕
日本プライマリケア連合学会認定医・認定指導医

高知生協病院での総合診療専門医研修の特徴は?

高知県下の複数の医療機関、高知大学総合診療部・家庭医療学講座と協同で高知県総合診療専門研修プログラムを立ち上げました。当院のリソースで足りない部分を救急、小児科、内科部門などで高知県下の多くのcommon diseaseを経験できる医療機関で行います。また、高知県下の指導医がお互いに密に情報共有しながら、指導医講習会で指導力を高めていく仕掛けを行っています。

 

高知生協病院で総合診療専門研修Ⅰ、選択研修(在宅医療、整形外科、外科)を行います。この期間は当院の家庭医療科に所属し家庭医療学を特徴づける能力(患者中心の医療、家族志向の医療、行動変容のアプローチ、複雑な健康問題を抱える患者へのアプローチ、多職種連携チーム医療)を実践しながら身につけていきます。具体的には外来診療で非選択的に生物・心理・社会的アプローチを行い幅広い健康問題に対応した研修を行います。入院診療では総合診療病棟で各科と協力しながら複数の疾患をもった方にも主治医として関わります。毎週行われる総合診療カンファレンスで臨床推論とEBMの活用法を学びます。また、在宅医療に力を入れており在宅療養センターを中心に地域のさまざまなリソース(行政、介護施設、地域包括支援センターなど)と協力して地域包括ケアを展開しています。訪問診療研修を週に3単位位置づけ、継続的に在宅患者のケアに関わることで在宅看取り、終末期患者、高齢者ケア、介護サービスとの連携を経験します。地域志向型ケアとして医療生協の組合員が行う食事会、たまり場カフェ、健康班会にでかけソーシャルキャピタルとして地域で重要な役割を担っていることを意識し関わります。専攻医は医学生実習、初期研修医の教育に積極的に関わり、将来指導医として後輩を育てていく能力も育みます。高知県下の総合診療専門医をめざす専攻医と切磋琢磨しながら研修していけるのも魅力です。毎年行われる四国ポートフォリオ発表会で四国の専攻医とも交流でき自分の実力を確認できます。

 

 

 

これから医師をめざす皆さんへのメッセージ

 

将来医師になる皆さんには2つの事をお伝えしたいと思います。 1つ目はできるだけ多くの本を読んでください。特に社会科学系のものを。試験に追われる医学部生活の中で大変なのは承知で敢えてなぜ読書なのか?医師という仕事には深い知識と技術そして高い倫理性が求められます。患者さんを診る(診断し治療する)ということはその背景にある家族、仕事、生活背景、社会をみないと実は十分なことはできません。むしろ社会システムを改善していくことが多くの患者さんの命、生活の質をよくすることにつながったりします。学生の時だからこそ、一体この世界はどういったしくみの中で動いているのかそのダイナミクスを掴むチャンスなのです。格差はどうして生まれるのか、イスラム国によるテロはなぜ生まれたのか、私たちが生活している日本の医療保険システムはどうなっているのか、いろんな疑問があるかと思います。そうした疑問に答えてくれるものは本の中にあります。人のうわさやネットの情報に振り回されるのではなく自分の頭で考え、判断基準を持つために、一つの疑問に思ったテーマに対して少なくとも2冊以上全く逆の視点から書かれた本を読んでください。そうすることで真実に近いことが見えてきます。とっかかりとしておすすめなのは石川康宏著「社会のしくみのかじり方」です。

 

2つ目はこうした日常の疑問を議論できる友人を見つけることです。簡単なようでなかなか見つからないかもしれません。そんな時はいつでも相談に乗ります。